2014年10月5日日曜日

コンデジにおけるイメージセンサーの大型化に驚嘆する

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先月ドイツで催されたフォトキナで、次から次へと発表される新製品を見ながら、いよいよコンパクトデジタルカメラにおいてもイメージセンサーの大型化は避けられない事態となったのだなぁと感じた次第なのである。などと冒頭から真面目っぽく書いているのだけれど、自分が愛用しているシグマのDPシリーズだって、基本的にはコンパクトカメラというカテゴリーに入っていたカメラだったのである。モデルチェンジする毎に大きくなって、現在のquattroシリーズになるともはやコンパクトとは呼べなくなってきていると思うけれど。

コンデジにAPS-Cクラスの大きなイメージセンサーを積むというのは、シグマのDPシリーズを例に出すまでもなく今に始まったことではない。もはや数年前からの潮流なんだけれど、ここに来て日本メーカー各社は1/2.5インチや1/1.8インチクラスのイメージセンサーから、少なくとも1インチクラス以上のイメージセンサーをコンデジに搭載する戦略に完全にシフトしようとしているようなのである。1インチ未満のセンサーのコンデジは、もうスマホさんよろしくといった印象である。

どうしてコンデジに、従来は身分不相応ともいえる大きなイメージセンサーを搭載するのかというと、小さなセンサーを積んだコンデジが価格競争で値下げが止まらないどころか、スマホのカメラで代用する人が増えてそもそも売れなくなってきているというのである。それゆえスマホのカメラとは一層の差別化を行いアピールするしか生き残る道がないという理由のようだ。また技術の進歩に伴い、カメラ内部の電子回路も小型化することが可能となってきて、APS-Cサイズの大きなセンサーを積んでもカメラを小型化することが出来るようになってきた。最近のAPS-Cサイズセンサー搭載のコンデジなんぞ、数年前の1/1.8インチサイズのセンサーを積んだコンデジより小さく作られているのである。そして大きいイメージセンサーも価格的にこなれてきたのだろう。

さて、そんな昨今のコンデジではあるけれど、その中でも個人的に最も気になっているのがパナソニックが新しく発表したコンデジ2機種で、一つは「LUMIX GM5」、もうひとつは「LX100」というカメラである。特に要注意機種は後者なのだけれど、どちらも一昔前のコンデジを知るものから見ると紙飛行機とスペースシャトルぐらいの違いに見える。何とも恐れいった機種なのである。

LUMIX GM5はLUMIX GM1のサイズをそのままにEVFを内蔵した機種である。そう書くと何だそれだけかというかもしれないけれど、GM1のコンパクトさを知る者なら、大したものだなぁと思わずにはいられないはずである。GM1というカメラは、マイクロフォーサーズシステムの小型軽量カメラで、勿論レンズ交換可能な一眼レフタイプである。その小ささというものがもはや限界なのではないかと思われるほどのもので、デザインも可愛らしく、これなら常時持ち歩いてみたいと思わせる仕上がりとなっている。

GM5はそこにEVFを付け加えた機種で、あのコンパクトさはそのままにしてのことだから驚嘆せずにはおれない。確かにEVFは116万ドットで液晶モニターにしたって92万ドットしか無い。ライバルと目されるソニーのサイバーショットDSC-RX100M3の場合は、EVF144万ドット、液晶モニター122万ドットとGM5をスペック上凌駕していて、比べてしまうと少しづつショボイわけだけれど、多分実際に使う場面ではそれほどの優劣はないだろうと思う。この両機種はいい意味でライバルとなるだろうなぁと思うのである。

一方で、LX100というカメラはGM5とはかなり趣が違う。こちらもフォーサーズ規格のイメージセンサーを積んで入るのだけれどレンズは固定式である。そのレンズも35ミリ換算で24ミリから75ミリという、如何にも高級一眼レフを意識したもので、しかも開放絞り値はF1.7-2.8と明るく設計されている。どうせなら中間をとってF2.0の固定開放値ならもっとマニアックだったんだけれど、それはともかくとして仕様からはほんのりと甘く高級感が漂ってくるのである。

しかしLX100の最も大きな特徴は何といっても4K動画に対応した点だろうと思う。多分現状最も小さな4K動画撮影機となるのではないだろうか(アクションカムを除く)。勿論4K動画を撮影する場合には、高速かつ高額なメモリーカードを奢らなくてはならないし、撮ってみたところで編集や鑑賞に4K対応の機材はまだまだ少なく高額であることを差し引いても、LX100のスペックには動画マニアとしては要注目なのである。4K対応の周辺機器が充実するまでは、取り敢えずLX100を手に入れて神棚に飾っておくだけれでも、世間の最先端にいる気分が味わえるだろう(もちろん家族からは馬鹿にされるのでお勧めはしません)。

とにかくコンデジに大きなセンサーを積むんなら4Kも積んじゃえというパナソニックは男前である。デジタル動画というと、ブラックマジックデザインやレッドなどの新興メーカーが性能や価格で多くのユーザーを一気に獲得し、老舗のアリフレックスやパナヴィジョンなども負けじと猛反撃している。そこでは日本メーカーのキヤノンやパナソニック、そしてソニーなどが一定の評価を得ているのだけれど、彼らの強みは一般の写真ユーザーを取り込むことができる事に尽きると思う。日本のメーカーはプロ専用というだけではなく、一般用としても使用可能なプロレベルの機材を提供できるのである。

これは日本メーカーのユーザーの裾野が広いことを意味し、数で勝負することが可能となり、その結果価格的にも熟れることに繋がる。僕は日本のメーカーに動画分野でも頑張ってほしいと思うのは、こんなことは一般ユーザーを押さえている日本のメーカーにしかでない芸当だと思うからである。そういう意味で、コンデジ廉価競争なんぞからは撤退しても日本のメーカーの将来は明るいと思っている。メーカーの皆さん、どんどん男前になってください。


撮影地:奈良県奈良市
Sigma DP2 Merrill
Sigma Photo Pro



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