季節の変わり目ということで、気をつけなければならないのに、いい気になってお腹を出して寝たりしていたせいか、見事に風邪をひいてしまった。もう殆ど治りかけているのだけれど、まだ喉が少し痛い。若い頃からこうした時期に必ずといっていいほど風邪をひくのだが、それも全て自分の不心得の結果である。いい加減気をつけて生活すれば良いのに、いい年になっても悪癖だけは続けてしまう。努力や進歩など縁のない人生であります。
このブログでも度々話題にさせていただいている写真家の田中希美男さんのツイッターなのだけれど、先日も興味深い話をされていたのでここで紹介しようと思う。
オリンパスのMZD 40~150mmF2.8 PROをしばらく使ってみたけど、これいったいナニ? どうしたのこのレンズ? と唖然絶句するほどの解像力ばりばりの描写。高性能な単焦点レンズの描写を「超えた」と言える初めてのズームレンズではないだろうか。詳しい話はまた、いずれ。
— 田中希美男 (@thisistanaka) 2014, 10月 11
レンズはここ数年、描写性能は飛躍的に向上してきている。メーカーのレンズ設計者たちは「まだまだ良くなっていくでしょうね」と言う。その40~150mmのような中望遠ズームのほかに、注目すべきは超広角ズームレンズである。いま、カメラとレンズの世界が大きく変わりはじめている…。
— 田中希美男 (@thisistanaka) 2014, 10月 11
それにしてもレンズの「チカラ」って凄いね。こと解像力(感)だけを見比べれば、マイクロフォーサーズ約1630万画素のE-M1でも、3600万画素オーバーのフルサイズ判ニコンD810の描写を超えている。少ない画素数、小さなセンサーのほうが勝っている、なんてこった…。
— 田中希美男 (@thisistanaka) 2014, 10月 11
デジタルカメラのイメージセンサーの画素数が上がるとともに、画像処理エンジンも改良され高性能化した結果、そのイメージセンサーの本当の実力を出すに値するレンズ性能が試されることになってきたようなのである。言い方を変えると、デジタルカメラのイメージセンサーはレンズのアラの部分まで情け容赦なく写しとってしまうので、各社レンズ性能を上げなければちょっと悲しいことになるのである。
そんな訳で、昨今レンズの性能向上が激しく行われるようになってきた。最近のズームレンズなんて、一昔前の普及クラスの単焦点レンズの性能を凌駕しているものも多く、もはや単焦点レンズというのは開放絞り値が明るいとか、パンケーキレンズのように携帯に便利だとか、マクロレンズやアオリレンズのように特殊な機構を備えているとか、そうした特色がなければお客さんは振り向かないジャンルになってきたように思う。自分の若い頃には単焦点レンズしか選択肢はなかったわけで、単焦点レンズに体が慣れてしまい、いまだズームレンズなんて何時も腰が引けた状態で使っている。それが何時の間にやらズームレンズの高性能化である。まったく時代に取り残されるわけだと思う。
田中希美男氏がツィートされているオリンパスのMZD ED 40-150mm F2.8 PROというレンズは先ごろ発売されたばかりのオリンパスのプレミアムズームレンズで、マウントはマイクロフォーサーズマウントとなる。これはフルサイズに換算すると80-300mm F2.8のレンズとなり、オリンパスの場合ボディ内手ブレ補正機能があるのでこのまま手ブレ補正もしてくれる。これだけのレンズだからお高いのだろうと恐る恐るネットで価格を調べてみると15万円前後で売られているのだから、このグレードのものとしてはバカ高いわけではなく、逆にお買い得だろうと思うほどである。
このレンズの仕様表を眺めると、重量が760グラム(三脚座を除く)、フィルターサイズが72mmであるあたりに目がいく。しかも最短撮影距離が70cmであり、防塵防滴処理もされている。フルサイズの300mmレンズを付けて70cmまで寄っていくとモデルさんに「アホかこのオッサン」という顔をされるのだが(注:普通300mmレンズでそこまで寄れません)、これだけコンパクトだとモデルさんもムッとすることはなく大丈夫であろう。要するに至れり尽くせりである。
こういうレンズを見ると、体力のないオヤジなどはフルサイズ一眼レフなど諦めて、マイクロフォーサーズに向かうほうがいいだろうと思う。フルサイズ一眼レフカメラと巨砲レンズを首からぶら下げて、少し動くと息も絶え絶えになってしまい同行の若い人に迷惑をかけて嫌われるよりは、マイクロフォーサーズで颯爽と撮影を行い、余った体力で偉そうなことばかりを口走り、若い人に嫌われる方がずっとマシである。
オリンパスという会社は例の不正経理事件で屋台骨が大きく揺らいだ。その影響は今も残っているようで、株主総会などの季節になると何時もカメラ事業の赤字が大きく報道される。何だかんだと言われながら、それでもカメラ事業を続けているのはオリンパスの人々のやる気の現れなんだろうと思う。なかなか難しいご時世だと思うのだけれど、ぜひ踏ん張って欲しいメーカーである。僕は大好きですよ、オリンパスさん。
撮影地:奈良県奈良市
Sigma DP2 Merrill
Sigma Photo Pro
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