2013年1月3日木曜日

高性能なレンズに魅せられる

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シグマDP2 Merrillを手にして以来、自分の写真の撮り方で大いに変わったポイントがある。それはレンズの開放値まで絞りを開けて撮る機会が増えたという点である。

レ ンズの絞りを開ければ開けるほど被写界深度は浅くなりピントがシビアになる。また描写自体が甘くなりシャープな画質が得られなくなる。だから多少とも絞った方が鮮明な写真になる。しかし、絞りを開けて撮った柔らかい画質の写真も味わいがあっていいものである。だから絞りを開けて撮る時はピントに注意しフレアーなどに注意をする。そうした手順が面倒だからつい絞って撮ってしまう。

DP2 Merrillの30㎜レンズの開放値はF2.8で、これを開放のまま撮っても驚くほどシャープである。もちろん少し絞った方がシャープさは増すけれど(特に周辺など)、開放値でも十分な画質だ。僕はこのカメラを使ってまずこの点に驚いた。自分のカメラ人生の中でもピカイチの開放値画質なのである。これを知ってしまうと安心して開放値で撮影できる。

またDP2 Merrillのフォーカスモードに『AF+MF』というモードがあり、これはカメラがAFでピントを合わせてから自分でフォーカスリングを廻すと自動的にMFモードに切り替わる。しかもその際(ここが大事なのだが)液晶モニターでは自動的に拡大表示が行われフォーカスをチェックしながらピント合わせが出来るのである。正に痒いところに手が届く機構である。

この二つの理由によってDP2 Merrillで撮影することに信頼感を寄せている。DP2 Merrillとだけ書いているけれど、DP1 Merrillももちろん同様である。どちらもイメージセンサーが高画素で且つ極めてクリアーなのでレンズの性能が高くないとその効用を最大限に発揮できない。またレンズ固定式のカメラなので、どのカメラもレンズとセンサーが最適な位置にあるかどうかチェックしてから出荷しているという。その効果は撮影後パソコンのモニターで画像を等倍表示にしてみれば誰にでも分かるだろうと思う。

デジタルカメラの時代になって、イメージセンサーも進化したけれど、レンズも相当の進化をしているようだ。現在のレンズ設計のトレンドというものがあるのなら、絞り開放値から高性能であること、であろう。僕は今までそんな高性能なレンズを使ったことはなく、使ったとしても開放値に合わせて性能をまとめてある特殊なレンズであって、このような一般に発売されているレンズで普通に高性能であるというレンズは初めての経験だった。

今後レンズの高性能化、特に絞り開放値での高画質化はますます進んでいくことだろうと思う。これは歓迎すべき風潮ではあるけれど、あまり高価格化とはならないようにお願いしたいものである。何せ僕は今年も手元不如意の予定であるから。


撮影地:奈良市
Sigma DP2 Merrill
Sigma Photo Pro


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