2013年1月5日土曜日

45mmという不思議な画角

Untitled

時々気合いを入れようと持ち出すフィルムカメラではなく、普段使うカメラはもっぱらシグマのDP Merrillシリーズになってしまった。僕はDP1 MerrillもDP2 Merrillもどちらも所有しているので、出かける際にどちらを持って出るか決めることになる。二台持ち歩けばいいんだけれど面倒なのだ。鞄に入れるのも面倒なら取り出すのも面倒なのである。

そんな訳でその日の気分でカメラを選ぶ。撮った画像をパソコンに転送している時ふと気が付くと、DP2 Merrillの方が圧倒的にファイルナンバーの数字が大きい。DP1 Merrillの倍ほど撮っている。今まで意識していなかったのだけれど、持ち出す回数や、出先で撮影するショット数などが、何時の間にやらDP2 Merrillの方が圧倒的に多くなっている。

僕は学生の頃から28㎜レンズの画角がお気に入りで、28㎜レンズ一本だけをカメラに付けてぶらりと旅に出たりしたものだった。基本的に28㎜レンズさえあれば何となるとずっと思ってきたし、実際にそのようにしてスナップ写真などを撮ってきた。

こうした画角に対する馴染みが最初に崩れたのは、生まれて初めてハッセルブラッドというカメラを所有した時で、このカメラには80㎜レンズが標準レンズとして組み合わされていたのである。フィルムサイズが6㎝×6㎝の中判カメラなので、この画角は35㎜フルサイズカメラの画角に換算すると約40ミリ相当になる。

ハッセルブラッドと80㎜レンズという組み合わせは、28㎜レンズ一辺倒だった自分のスナップ写真に大きく影響を与えた。といっても僕のスナップ写真のレベルでのことで、ささやかな影響でしかないのだけれど。しかし、ここで初めて28㎜以外のレンズで、この一本さえあれば何とかなるという画角の存在に出会ったのである。

その画角に近いのがDP2 Merrillの30㎜レンズの画角で、これは35㎜フルサイズカメラの画角に換算して約45ミリ相当である。焦点距離に僅かな差があるし画面の縦横比も違うけれど、使い始めるとすぐに体が馴染んでしまった。

自分には絶対に馴染めない画角というものもあれば、スッと入り込んでいける画角というものもある。これは人によって違うだろうと思う。僕の場合、前者の代表的な画角は35㎜であり、後者の画角は28㎜と45㎜あたりである。これがDP Merrillシリーズにピタリと合致してしまうのである。

もう自分もロートル化してしまっているので、今更新しい画角に馴染もうとする余裕もなく、多分このまま自分に馴染んだ画角を後生大事に守りながら撮影していくんだろうなあと思っている。そしてそれはそれで幸せなことだなあと考えている。


撮影地:奈良市
Sigma DP2 Merrill
Sigma Photo Pro


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